オランダ家社長ブログ

チューリップサブレ50周年

皆さん遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
今年は、当社のチューリップサブレが、発売50周年を迎えました。今回はそのことをお話しようと思います。

この商品は、当社が初めて開発したギフト商品です。
50年前の当時、今でも有名ですが、鎌倉の豊島屋さんのハトサブレが大流行していました。
そこで、「千葉にもおいしいサブレがあってもいいじゃないか」ということになり、父と当時の工場長が何度も何度も試行錯誤を繰り返し、バターの配合がとても多いバターリッチなこのサブレが出来上がりました。
形はオランダらしいチューリップにすることにしました。それ以来、50年にわたり、たくさんのお客様にご支持をいただいています。
有名さでは、もちろんハトサブレにとても及びませんが、私はこのサブレがとても好きです。

50周年を記念して、チョコレートやチーズ味の姉妹品の発売が予定されています。
そちらも是非お試しいただきたいですが、個人的にはやはりプレーンタイプが好みかなー。



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地産地消について

今回は当社の地産池消のお話をしたいと思います。

当社は千葉に生まれ、千葉で育ちました。
小さなケーキ屋からスタートしたのですが、しばらく立つと、お客様から「千葉にちなんだお菓子とか千葉らしいお菓子がないか?」というご質問をたくさんいただきました。 
そこで、千葉といえば“落花生”だろうということで、まずは落花生を使用した「楽花生パイ」を開発しました。おかげさまで、ご好評をいただきました。
それがきっかけで、「楽花生最中」「楽花生ダクワーズ」などの楽花生シリーズの開発が続きました。

そして、他の特産品の商品も発掘して行こうということになり、調べてみると、サツマイモの生産量も非常に高い事もわかり、お芋の商品もつくりました。
そのほかにもイチゴ、かぼちゃ等と、いつの間にか千葉県産の原材料を使った商品がそろってきました。

そういった中で、時には直接生産農家の方と接するチャンスに恵まれます。それがなんとも、とても楽しい出会いなのです。
その方の生産した原材料で作った商品をお礼代わりに持参したりすると、とても喜んでいただけます。
普段知ることのできない栽培の苦労や、おいしさの秘密を聞き出せることもあります。
そういうお話を聴いていると、自然にその原材料に愛着がわいてきてしまうものですね。
またお話しているうちにその方の人柄にも惹かれ、絆も生まれてきます。
そしてその方に恥じないおいしいお菓子を作るぞという使命感が沸いてきます。

私は、生産者とお話しすることが大好きです。
このブログを書きながら、最近はめっきりそういう機会からご無沙汰していることに気が付きました。
久しぶりにお尋ねしてみたいなと思ってしまいました。


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私が考えるおいしさ⑨

今回は前回予告をしたお話をしてゆきましょう。
前回は、「極端な好き嫌いのある食材は、できるだけ避けたい」というお話をしました。しかしながら、どうしても使わざるを得ないこともあり、そのことをお話しすることになっていましたね。

それでは、その典型的と思われる一例を紹介しましょう。
その食材とは、皆さんも良く知っている「シナモン」です。うなずかれる方も多いのではないでしょうか。
実はこの食材の按配(あんばい)を決定するまでたいへん苦労したことがあります。

当社に「おいも先生」という商品があります。
あまり知られていないかもしれませんが、千葉県はサツマイモの有数の産地です。
その中で、北総地区で栽培されている「紅あづま」というとてもおいしいサツマイモがあります。それを使ってお菓子を作ろうということになりました。
サブタイトルに、「和風スイートポテト」と書いてありますが、なかなか妙を得た表現だな(もちろん私が付けたのではありません)と思っているのですが、まさにそのとおりで、あっさりめのスイートポテトを、うすーいおいも入りの皮で包んで、サツマイモ風の楕円形に焼き上げた商品です。

焼き上げる手前でシナモン(これが曲者)をまぶすのですが、開発当時、社内でシナモンを使わなくても良いのではないかという意見と、使うべきだという意見とが真二つに割れました。
そこで社内で、特に女性を中心にシナモンの好き嫌いを尋ねてみたところ、これもなんと、好きな人と、嫌いな人がほぼ半々に分かれたのです。
これはどうしたものか、私も相当悩みました。これだけ好き嫌いがあるならば、安全策をとってシナモンを使わなくしようかとも考えました。
しかし、そうすると、どうしてもしまりのない間の抜けた味わいになってしまうのです。まさに「スパイスの効いていない味」という表現がぴったりかもしれません。
そこで、極力シナモンの存在感を感じない程度(あくまで隠し味として)に、ぎりぎりのところまで、配合量を調整することにしました。何度も何度も試作を繰り返し、そのぎりぎりの味を決めて行きました。

その結果、社内で試食調査をしたところ、シナモンを嫌いな人でも「これならおいしく食べられる」、「とてもおいしい」という声がたくさん上がるようになり(もちろんそれでも絶対だめな人は極少数いましたが)、ようやく按配が決定しました。
味もメリハリの利いたバランスの取れたものに良くまとまったと思います。苦労しただけに私もこの商品にはとても愛着を感じています。

やはりスパイスは目立たなくても、味作りにはとても大切な存在ですね。人間味にもスパイスが効いている人は魅力的ですよね。




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私が考えるおいしさ⑧

前回の続きで、おいしさの落としどころ、ころあいについてお話しを進めてゆきたいと思います。

前回は「奇をてらわない」というお話をしました。しかし、お客様に心ときめいていただくためには、ある程度の新しい試みも必要です。
その中で、ここはちょっと避けておこうということがいくつかあります。
そのひとつとして心がけていることに「通だけが好きな極端な味は避ける」ということがあります。
いわゆる珍味という部類に属する食べ物でしょうか、好きな人とそうでない方が極端に別れる食べもののことです。

お菓子ではありませんが、例えば私の好きな食べ物で、「くさや」という伊豆諸島特産の魚の干物があります。強烈な匂いが特徴ですが、本当においしいです。酒の肴にはもってこいですね。
しかし、人によっては(実は私の家族にもいます)、近づくのも嫌で、とても食べ物とは思えないということです。
滋賀県名産の「鮒寿司」(こちらもとてもおいしいです)等もこの部類ですね。

またナチュラルチーズの中でウォッシュタイプというオレンジ色をしていて、表面がベタベタして糸を引いているようなチーズ(こちらもたいへんおいしいです)がありますね。こちら等も好き嫌いがはっきりと分かれます。

当社のお菓子は、手土産等で人様に差し上げられることが多いお菓子です。したがって、できるだけ好き嫌いのない味作りを心がけなければなりません。ということは、このような特徴のある原材料、また味作りは避けているということです。
ところが、時にはそのような原材料を使わざるを得ないこともあります。
そのお話は次回にすることにしましょう。



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私が考えるおいしさ⑦

今回は「私の考えるおいしさ」の5番目のお話にしましょう。
実はこの考え方については修正しようと思っています。それは「奇をてらわない」ということでした。

以前チーズケーキが流行したころ、いろいろなチーズを使ってチーズケーキを作り、チーズケーキフェアーのような催しをしたことがあります。
しかし、お客様からご支持をいただけたのは、オーソドックスなスフレチーズケーキやベークドチーズケーキ、そしてレアーチーズケーキといったものでした。
その際、私達は、カマンベールチーズのケーキや、ブルーチーズのケーキなども作り、トライしてみましたが、残念ながらほとんど関心を持っていただけませんでした。

やはり、「味の想像ができないもの、食べたことがないもの」に関しては、人は、慎重になるものだと思います。
ある意味、食べるということは、命をかけた行為ですよね。このことはしっかり念頭においておく必要があります。

しかしながら、冒頭にも修正しようと思っていると書きましたが、まったくチャレンジしないということもいかがなものかと思います。
「いちご大福」のように、いまや和菓子の定番となった、とてもおいしい不思議な組み合わせのお菓子もあります。

お客様は、慎重ではあっても一方では、やはり新しいおいしさ、発見をして心ときめかせたいという冒険心もお持ちあわせだと思います。したがって、「そのころあい、落としどころ」が大切ではないかと思っています。

次回は、この「ころあい、落としどころ」につながるお話を書きたいと思います。

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