オランダ家社長ブログ

楽花生パイのお話⑥

いつもいつも遅くなってしまい申し訳ありません。
このところブログ担当の女性(あゆ葉さん)もお忙しいせいか、あきれているせいか、とても静かにされています。そのうち爆発でもされてはいけませんので、本日も一生懸命書かせていただきます。
 
さて、今回は、オランダ大使館からJETROさんに「パイ生地を扱ってくれる会社を紹介してほしい」というメッセージが届いたところからのお話ですね。フランスの会社とのやり取りで、かなり時間を要してしまい、あせっていたところでした。

とは言うものの、ちょっと脱線ですが、フランスの会社とのやり取りも、実はなかなか楽しいものでした。
相手方の担当者が女性の方でジョークも上手で、メールの交換がまるで文通をしているようでした。どんな方なのか想像してみたりして、お互いに楽しいメール交換でした。
話が進めば、いずれお会いできたかもと思うとちょっと残念です。
 
オランダの話に戻りましょう。
JETROの担当の方が大使館からの依頼を伝えてくれました。オランダは酪農の国であるし、きっとバターもおいしいのではないか。また当社の社名がオランダ家だということからも、何か縁があるのかもしれないと思い、是非取りついでもらうことにしました。
 
すると翌日にはオランダの会社からメールが入り、丁寧な挨拶とこちらの要望内容を教えてほしいとのメッセージがありました。
こちらもすぐに製品内容(発酵バター使用の条件や配合内容)や年間予測使用量等を伝えると、早速、製品については問題なく製造できるということと、見積金額の提示もありました。そして是非取引をしたいとの返事をもらいました。
非常に早いレスポンスと、見積り金額にとても誠意と熱意を感じました。

そこでいよいよ詳細の話を進めようとしたところ、「是非オランダに来てほしい。試作室もあるので、そこで、希望に沿う小麦粉や発酵バターをそれぞれ数種類ずつ用意しておくので、一緒に開発しましょう。工場も是非見てほしい。」という申し出がありました。
相当の気合ですね。こちらも気合が入っていたのでお互いに一気に盛り上がった感があります。
 
いよいよ夢が実現できるかもしれないという期待を胸に社長(当時私は社長ではありませんでした)や幹部に相談したところ、全員が賛成してくれて早速訪問することになりました。
 
今回はここまでとします。その後のことは、また次回お話します。



スポンサーサイト

PageTop

楽花生パイのお話⑤

またしばらく間が開いてしまいましたが、前回の続きのお話(パイ生地のリニューアル)をして行きたいと思います。
前回はヨーロッパ産のバターを輸入するのではなく、パイ生地として輸入しようと考えたところまでお話しました。どう考えてもそれが一番現実的でした。
その後、紆余曲折を経てというよりは、かなりトントン拍子にオランダからパイ生地を直接輸入できることになりました。

このパイ生地メーカーとは2003年の楽花生パイリニューアルの準備以来ですので、15年近くのお付き合いになります。とても良好な関係が続いています。家族的であり、紳士的で、何か支障があった場合(15年間の間には何かはあるものです)には、たいへん誠実な対応をしてくれます。
本当に素晴らしいパートナーとめぐり合えたと思っています。

後で教えていただいたのですが、この会社は創業が1885年という老舗企業で、創業以来100年以上続いている優良企業であり、オランダ王室から認められ、王室の紋章をいただいているそうです。
王室お墨付きということですね。たいしたものです。

「当社の社名がオランダ家だからオランダから仕入れたのか」とよく聞かれますが、決してそうではありません。結果としてこのようになったのですが、私としては何か『運命の糸で結ばれている』ような縁を感じています。

せっかくここまでお話したので、この会社との出会いをお話しましょう。
ということで、輸入を始める前にお話しを戻しましょう。

当時は、当然のことながら、どのように輸入すればよいのかまったく分かりませんでしたが、日本貿易振興会(JETRO)という機関で輸出入の相談に乗っていただけるということが分かり、お訪ねしました。すると担当の方から当社の使用量なら、直接輸入したらどうかとのアドバイスをいただきました。
商社でもないのにそんなことができるのか不安もありましたが、お手伝いいただけるとのことでしたので、思い切ってチャレンジすることにしました。それからは、とても親身になってお手伝いしていただきました。本当に感謝しています。

始めのうちは、以前お話したようにフランスのバターに感動して、楽花生パイに使用したいと思ったこともあり、フランスのパイ生地を製造している会社をいくつか当っていました。
eメールでのやり取りから始め、サンプルを送ってもらったり、いろいろなやり取りをしましたが、なかなか話がまとまらず、「これは一筋縄ではいかないぞ、時間がかかることを覚悟しなければならないな」と感じていました。

そんなところに、突然降って沸いたようにオランダ大使館からJETROさんに「パイ生地を扱ってくれる会社を紹介してほしい」というメッセージが届いたのです。

この後は、次回にお話して行きます。





PageTop

楽花生パイのお話④

いよいよ今回から楽花生パイリニューアルの具体的なお話に入ることにしましょう。
この商品の構成はいたって簡単で、落花生餡(落花生の蜜漬けを白餡ベースの餡と混ぜ合わせたもの)をパイ生地で包んで焼き上げたお菓子です。

せっかくのチャンスなので、落花生については、最高においしい落花生を使おうということで、この時点ではすべて「千葉半立」という種類の落花生に変更しました。この半立という種類の落花生は千葉県産の落花生の中でも最高品種で、硬くて小粒ですが味にコクがあり、味わい深くおいしいのです。
しかししばらく後(数年後)に落花生が超不作となり、その後も生産量の縮小等が重なり、すべて半立だけではまかないきれなくなってしまいました。
そこで「ナカテユタカ」という品種を混ぜてみることにしました。この品種はあっさりした甘さが特徴で、こちらも千葉を代表する落花生としてたいへん評判が高いです。
おかげさまで、落花生餡としても特徴は多少違いますが、リニューアル当初と遜色のないものに仕上がりました。
千葉県産の落花生はとてもおいしく、大切にしてゆきたい農産物ですね。

さてリニューアル当時に戻りますが、この落花生の蜜漬け(茹で上げた落花生を濃度の違う蜜に何度も漬け変えて仕上げたもの)を混ぜ合わす白餡ベースの餡(小豆餡が適量入っています)に関しては、あえて変更はしませんでした。落花生の蜜漬けのほのかな風味を損なわず、しかも餡としてパイとの相性も良く、問題なしと判断しました。
ちなみに当社の餡に使用している砂糖はすべて白ザラ糖(氷砂糖の小粒版)です。上白糖やグラニュー糖と比べて精製純度が高く、甘さがすっきりしてそのまま食べても飽きがこなく、他の素材の味をしっかり引き出してくれます。
ちょっと宣伝してしまいました。

それでは、いよいよパイ生地リニューアルのお話に移らせていただきます。
ここからのお話は社内以外にはあまり公表してこなかった内容になります。正直なところ果たしてディスクローズしてしまっていいのかどうか迷う気持ちもありますが、ここまで来たらかまわず進めてしまいましょう。
私の夢でありました「パイ生地に折り込むバターをヨーロッパ産の発酵バターに変更する」にはどうすればよいか?という課題を解決するために始めに考えことは、「バターを輸入するのではなく、パイ生地として輸入する」ことでした。
ちなみにバターは国の保護貿易品目に入っていて、関税がとんでもなく高く設定(私もこんなことあり得るのかとたまげてしまいました)されていて、とても直接輸入できるようなしろものではありませんでした。いっぽう加工品(パイ生地)としての輸入関税は、バターそのものとは大きく異なり(それでもやはり高いです)、充分チャレンジするに値すると感じました。

すみません。紙面の都合上この続きは次回に回します。

PageTop

楽花生パイのお話③

さて、前回の続きをお話します。
楽花生パイのフルリニューアルのお話をしている途中でちょっと脱線して、若かりしころフランスで食べたパンとバターのお話をしたところでしたね。

その後それらの正体が分かったのですが(まだ脱線を続けてしまいます)、パンは今では日本でもポピュラーになっている自家製天然酵母を使用して作られたパンです。
小麦粉と酵母の香りがあいまって、素晴らしい風味を感じます。歯ごたえもムッチリとして噛めば噛むほど適度な酸味とおいしさを感じ、料理のお供というよりも、むしろパンとしてしっかり存在感を感じてしまいます。

フランス人は、よく「パンとチーズとワインがあれば充分幸せ」などと言われますが、その気持ち、私も今ではよーく理解できます。
パンについてはフランスばかりでなく(フランス人ばかり持ち上げるつもりはありませんので)、ヨーロッパ各国各地に根付いた特徴のあるおいしいパンが存在します。
パンの話もチーズやワインの話も大好きなのですが、これ以上脱線しているとなかなか楽花生パイのお話にたどり着きませんので、残念ですが、この辺でバターのお話に戻りましょう。

バターについては、これも今ではよく耳にされると思いますが、“発酵バター”だったのです。チーズやヨーグルトのようにバターを発酵させて作られたものです。
味わいは、前回お話したように、「色が白く、さわやかで、ヨーグルトのようにやや酸味があり、ミルク風味もしっかりとあり、くどくなく、いくら食べても脂っこく感じないのです。」という表現になりました。
とにかくその味わいに感激し、忘れられなくなってしまったのです。色が白いのは、冬バター(今度お話します)だからだと思います。

ちなみに日本やアメリカ、オセアニアのように酪農の新興国(ヨーロッパに比べて)では、残念ながら発酵バターの生産はとても稀です。発酵することで発生する成分の処理や発酵工程の煩雑さがあるため、コスト的な問題もあり、避けられてきたようです。
一方ヨーロッパでは酪農がかなり昔から盛んで、乳製品もたいへんバラエテイーがあり、バターといえば、発酵バターが主流です。
食べ比べると、発酵していないバターは、さわやかさがないため、どうしても脂っこく感じてしまいます。したがって、彼らに言わせれば、「発酵バターでなければバターではない」というくらいに発酵させることが当たり前になっています。

というわけで、この若かりしころの体験以来、私の夢は、いつかヨーロッパ産発酵バターを使って、さらに、さらにおいしい楽花生パイを作りたいということとなりました。そして、いよいよ2003年のリニューアルでチャレンジすることになったのです。


PageTop

楽花生パイのお話②

前回から始めた楽花生パイのお話の続きになりますが、今回から、発売18年後(2003年)に行ったフルリニューアルのお話を始めようと思っています。

その当時、当社のお菓子はお客様がご自身やご家族の方と召し上がるだけではなく、人様に差し上げる商品としても、たくさんご利用いただいておりました。
おかげさまで現在もそのようにご利用いただいております。誠にありがとうございます。

したがって、私達はご愛顧いただいているお客様が、どなたにでも胸を張ってお渡しできる本物のおいしいお菓子作りをしなければいけないと、使命感に燃えて真剣に取り組んでいます(もちろん100点満点ではございませんが)。

中でも、楽花生パイは当社の中では最も多くご利用されていることもあり、もしかしたらお客様が「千葉を代表する味」としてご利用してくださっているのではないかと、勝手に想像してしまうことがあります(自己意識過剰かもしれませんね)。
そう思うと「どんなことがあっても、このお菓子で、お客様には絶対に恥を欠かせないぞ」という意地のような気持ちに燃えてしまうのです。
そんな気持ちに燃えていたこともあり、このリニューアルはとてもやりがいのあるものでした。

前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ中身のお話に入って行こうかと思います。

さて、楽花生パイは、大きく分けると、パイ生地と落花生餡の2つの部分からできています。したがって、この2つの素材を、それぞれ当時考えられる最高のおいしさにしてみたかったのです。
まずはパイ生地から行きましょう。
実は当時私は夢を持っていました。「いつか楽花生パイの生地にヨーロッパのバターを使いたい」という夢でした。
パイ生地は、バター、小麦粉、水、そして塩少々からできています。したがって、バターの味がなんと言っても勝負です。

ちょっと脱線しますが、私は若かりしころ、フランスで食べたフランスパンとバターがあまりにもおいしかったので、ずっと忘れることができませんでした。
パンは小麦粉の風味がプーンとして、内側が真っ白でなく少し茶色でやや酸味があり、噛めば噛むほど味わいがある。
「あ~、パンてこんなにおいしいものなんだ」とパンに対する認識が一変してしまいました。
またそのパンに塗って食べたバターは、色が白く、さわやかで、ヨーグルトのようにやや酸味があり、ミルク風味もしっかりとあり、くどくなく、いくら食べても脂っこく感じないのです。
そしてパンとの相性が抜群だったので、もうすっかりとりこになってしまいました。
はっきり言って「日本で食べていたものとは別物」と思ってしまいました。
「フランス人は毎日の食事のベースになるパンとバターを、何気なくこんないおいしいものを毎日食べられるなんてうらやましいなー」と思ってしまいました。

でも考えてみれば、われわれ日本人も何気なく毎日食べているご飯(お米)は、きっと世界で一番おいしいでしょうね。皆さんも海外に行くと感じませんか。

すみません。今回は脱線もあり、長くなりすぎてしまいました。この続きは次回お話します。
楽花生パイ編は少し長くなるかもしれません。


PageTop