オランダ家社長ブログ

楽花生パイのお話②

前回から始めた楽花生パイのお話の続きになりますが、今回から、発売18年後(2003年)に行ったフルリニューアルのお話を始めようと思っています。

その当時、当社のお菓子はお客様がご自身やご家族の方と召し上がるだけではなく、人様に差し上げる商品としても、たくさんご利用いただいておりました。
おかげさまで現在もそのようにご利用いただいております。誠にありがとうございます。

したがって、私達はご愛顧いただいているお客様が、どなたにでも胸を張ってお渡しできる本物のおいしいお菓子作りをしなければいけないと、使命感に燃えて真剣に取り組んでいます(もちろん100点満点ではございませんが)。

中でも、楽花生パイは当社の中では最も多くご利用されていることもあり、もしかしたらお客様が「千葉を代表する味」としてご利用してくださっているのではないかと、勝手に想像してしまうことがあります(自己意識過剰かもしれませんね)。
そう思うと「どんなことがあっても、このお菓子で、お客様には絶対に恥を欠かせないぞ」という意地のような気持ちに燃えてしまうのです。
そんな気持ちに燃えていたこともあり、このリニューアルはとてもやりがいのあるものでした。

前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ中身のお話に入って行こうかと思います。

さて、楽花生パイは、大きく分けると、パイ生地と落花生餡の2つの部分からできています。したがって、この2つの素材を、それぞれ当時考えられる最高のおいしさにしてみたかったのです。
まずはパイ生地から行きましょう。
実は当時私は夢を持っていました。「いつか楽花生パイの生地にヨーロッパのバターを使いたい」という夢でした。
パイ生地は、バター、小麦粉、水、そして塩少々からできています。したがって、バターの味がなんと言っても勝負です。

ちょっと脱線しますが、私は若かりしころ、フランスで食べたフランスパンとバターがあまりにもおいしかったので、ずっと忘れることができませんでした。
パンは小麦粉の風味がプーンとして、内側が真っ白でなく少し茶色でやや酸味があり、噛めば噛むほど味わいがある。
「あ~、パンてこんなにおいしいものなんだ」とパンに対する認識が一変してしまいました。
またそのパンに塗って食べたバターは、色が白く、さわやかで、ヨーグルトのようにやや酸味があり、ミルク風味もしっかりとあり、くどくなく、いくら食べても脂っこく感じないのです。
そしてパンとの相性が抜群だったので、もうすっかりとりこになってしまいました。
はっきり言って「日本で食べていたものとは別物」と思ってしまいました。
「フランス人は毎日の食事のベースになるパンとバターを、何気なくこんないおいしいものを毎日食べられるなんてうらやましいなー」と思ってしまいました。

でも考えてみれば、われわれ日本人も何気なく毎日食べているご飯(お米)は、きっと世界で一番おいしいでしょうね。皆さんも海外に行くと感じませんか。

すみません。今回は脱線もあり、長くなりすぎてしまいました。この続きは次回お話します。
楽花生パイ編は少し長くなるかもしれません。


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楽花生パイのお話①

今回からそろそろ当社のお菓子について、お話して行こうかなと思っています。
開発のエピソードや社内だけにしか公開して来なかった思い出深いお話などもご披露して行きます。

さて、最初のお話は、現在お客様から最も多くお買い上げいただいている“楽花生パイ”にしましょう。
この商品は1985年4月29日にデビューしました。もう32年もご愛顧いただいているのですね。ありがたいことです。
このお菓子が生まれたきっかけは、お客様からのお声でした。
「何か千葉らしいお菓子はないの?」というお声をたくさんいただいたのです。
当時は洋菓子屋としてケーキを中心にチューリップサブレなどの焼き菓子も販売していたのですが、千葉にちなんだお菓子はひとつもありませんでした。

千葉といえば落花生ということで、落花生を使用したものをつくろうということで、このお菓子が生まれました。
落花生を蜜づけにして餡と合わせるというアイデアは当時社長をしていた父の発案でしたが、私には想像もできませんでした。
落花生は炒って香ばしくいただくものとばかり思っていたものですから、とても新鮮に感じたのを覚えています。
こういう食べ方もおいしいものだとつくづく思いました。
またパイはマーガリンでなくバターを折り込んで作るということについては、誰もが当然と考えていたので、いっさい異論は出ませんでした。

発売前には籠に入れてみんなで、店の回りに試食として配って歩きました。
この時期はお菓子を配って歩いても変に思われることもなく、とても喜んでいただけました。良い時代ですね。
おかげさまで前評判もよく、デビューと同時にいきなり当社の一番商品になりました。
それ以来当社のトップ商品として、いまだに不動の地位にいます。

そしてその味は一切変えることなく好評のまま18年間続いていたのですが、2003年7月1日ついにフルリニューアルされました。
一番商品をさらにレベルアップするということで、たいへんなプレッシャーがかかるリニューアルでした。
次回からこのお話をして行きたいと思います。

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チョコレートのお話③

前回はチョコレートの加工工程の途中で終了してしまいました。
生のカカオの種(豆)を発酵、乾燥させ、さらに焙煎して粉砕するところまでお話しましたね。

その後は、いよいよいろいろな豆をブレンドして独自の基本となる味を作るのですが、ここでそのチョコレートの特徴が形成されます。
各チョコレート会社の個性がここで決定されるわけです。まさに勘所ですね。
当然各社のトップシークレットでしょう。
そして、工程はまだまだ続きます。
さらにその豆を細かく粉砕し、すりつぶして行きます。すると、今まで固体であったものが、カカオバターという油脂を含んでいるのでドロドロな液状になってゆきます。
是非なめてみたかったのですが、残念ながらそれはできませんでした。

そしていよいよ本格的な味付けになります。
砂糖やミルク、その他キャラメル等、各種のフレーバー(もちろん天然のフレーバーです)を加え、いろいろな味に変化させて行きます。
その後さらに細かくすりつぶし、練りこみ、温度調節をして型に入れ、冷却してようやく私達が口にできるチョコレートになるのです。

ふー、簡単に説明しようと思いましたが、工程がたくさんありますねー。簡単にはなりませんでした。
自分で書いていてびっくりしてしまいます。

コロンブスが運んできたカカオという得体の知れない代物を、ヨーロッパの方々は数百年にもわたって、後生大事にこねくり回し、こんなに手間隙をかけて現在のチョコレートに昇華させてきたわけです。
その執念と、出来上がったチョコレートという偉大な作品に脱帽ですね。芸術品といえるかもしれません。

私はすっかりチョコレートのとりこになってしまいました。
「オランダ家でもおいしいショコラ作りたいなー」と思ってしまいました。
パスカルさんも「何でショコラを作らないんだ」と言っていました。
「近い将来一緒に作れたらいいね」などと話しながら帰ってきました。本気になりそうです。


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チョコレートのお話②

それでは、前回のチョコレートのお話の続きをしましょう。

前回は、生のカカオの実から種を取り出し、触ったり、匂いを嗅いだりしたお話をしました。
とてもこれがあの高貴なチョコレートになるとは想像もできない代物だと感じたことはお話しました。
それではその後チョコレートになるまで、どのような工程を経て行くのか、その展示館ではとてもわかりやすくデモンストレーションしています。
簡単にその工程を説明して行きましょう。

まず始めに種を“発酵”させます。そして、その後乾燥させてカカオ豆ができます。
この段階でかじってみると、なんとなくチョコレートを髣髴(ほうふつ)とさせる風味を感じてきます。
あのネバネバ、ヌルヌルのものが、このような風味に変化するとは驚きです。
おそらく昔の人は、「けっこう美味いぞ」ということで利用価値を見出したのでしょうね。自然の力は計り知れません。

ちなみに、ここまでは原産地で処理され、チョコレートやココアを製造する先に輸出されます。
そしてチョコレート製造工場に届いたカカオ豆は、実はさらにその豆の皮をむいて焙煎され、粉砕されるのですが、この段階で食べてみると、いっそう香ばしいカカオの風味を感じ、カリカリとおいしく食べられ、豆の特徴がはっきりしてきます。
これはなかなかイケますよ。甘くはありませんが、スナックのように食べられます。
そしてこの後はいよいよ本格的にチョコレートとして加工されて行きます。

ここで、ちょっと脱線しますが、チョコレート(カカオ)は15世紀にアメリカからコロンブスによってヨーロッパにもたらされたそうですが、そのずっと以前から先住民に珍重されていたそうです。
彼らはカカオの粉末を飲み物や薬として使用していたということですが、果たしてどの段階で粉末にしていたのでしょうね。
マヤ文明や、アステカ文明はかなり発達していたということなので、焙煎して粉末にしていたかもしれませんね。
だとしたらけっこうおいしかったかも。
しかし“ウィキペディア”によると、バニラや唐辛子を混ぜて飲んでいたということです。
ちょっと味の想像ができませんね。




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チョコレートのお話①

今回もたいへん遅くなってしまい申し訳ございません。

今回は先日機会があって訪れたフランスの某有名チョコレート会社のチョコレート展示館のことをお話したいと思います。
場所はリヨンからローヌ川に沿って車で1時間ほど南に下ったタン・レルミタージュ(Tain-l’Hermitage)というところにあります。フランスを代表する有名なワイン、エルミタージュ(Hermitage)の産地でもありますね。

このチョコレート会社は以前自社工場のあった場所に展示館を作り一般に公開しています。たくさんの方が見学に訪れていました。その中で、チョコレートがカカオの実から製造される過程を学校の授業のように少人数に分けて講習会を開いていました。
インストラクターの方は聴衆を楽しく引き付けることが上手で、皆さん夢中になって聴いていました。
生のカカオの実を割り、中のネバネバ、ヌルヌルした種を触り、匂いを嗅ぐところから体験させてくれました。麹のようなちょっと発酵したような淡い匂いで、とてもあの高貴な香りのチョコレートとは結びつかない得体の知れない果物でした(どちらかというと気持ち悪い感じ)。

この講習会には、子供から高齢の方まで皆さんとても熱心に参加していたのですが、驚いたのは、その方々の好奇心の強さでした。その異様な物体を高齢の女性が撫でたり、かじったりするのです。
すごいですね。このような食に対する熱意が、あのグルメの国の食文化を支えているのだなとつくづく感心させられました。
さて、まだ続きはあるのですが、申し訳ありませんが、この続きは次回とさせてください。

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